マーティン・リーブスの著作一覧

雑誌掲載コンテンツ

「いいね」ボタン誕生秘話に見るイノベーションの本質

マーティン・リーブスボブ・グッドソン

2025年8月

いまやソーシャルメディアの象徴ともいえる「いいね」ボタンは、フェイスブックが発明し普及させたという印象が強い。だが、筆者らが数年にわたり調査した結果、実際にはフェイスブックが実装する以前から複数の企…

サステナビリティ経営の転換期に企業が取るべき4つの対応策

ゲオルグ・ケルマーティン・リーブスヘレナ・フォックス

2025年6月

サステナビリティ経営は大きな進展を遂げた一方で、地政学的な緊張や社会の分断、ポピュリズムの台頭により後退の兆しを見せている。しかし、再生可能エネルギーの進歩、気候変動による現実の影響、新たなビジネス…

トランプ関税が世界のマクロ経済に与える影響を理解する

フィリップ・カールソン＝スレザックポール・スワーツマーティン・リーブス

2025年5月

ドナルド・トランプ米大統領は4月2日、平均23％への大幅な関税引き上げを発表し、金融市場に混乱をもたらした。9日には90日間の停止措置を打ち出し、政策の不透明性が一層深まっている。全方位的な貿易戦争…

トランプ大統領の「意図的な不確実性」にどう備えるか

フィリップ・カールソン＝スレザックポール・スワーツマーティン・リーブス

2025年4月

米国では、消費者心理の低下や市場の不安定化が景気後退への懸念を呼んでいる。加えて、トランプ大統領が意図的に生み出す政策の不確実性が、経営環境に新たなリスクをもたらしている。本稿では、このような不透明…

AIを取締役会の意思決定に取り入れる意義とリスク

クリスチャン・スタドラーマーティン・リーブス

2025年4月

AIは個別の認知タスクで人間を上回る能力を示しているが、実際の経営現場でどのような効果をもたらすのかは未知数である。そこで筆者らは、オーストリアの中堅企業ギースヴァインの取締役会にAIを導入する実験…

AI時代における人間の意思決定力の重要性

マーティン・リーブスミヒニア・モルドベアヌアダム・ジョブ

2025年1月

AIの急速な進歩は、企業の意思決定を変革する可能性を秘めているが、「データイズム」に基づく単純な依存は危険である。意思決定には、信頼できるデータ選択、想像力、解釈、戦略的判断といった人間固有の能力が…

雑誌掲載コンテンツ

生成AIで持続的な競争優位は築けない

ジェイ B. バーニーマーティン・リーブス

2024年12月

各業界で早期に生成AIを使い始めた賢く機敏な一部企業は、その価値を短期間のうちに享受してきたことは間違いない。だが、どの業界であれ、生き残った企業はすべて近いうちに生成AIを使い始めるだろう。そうな…

社内の知識共有に有効な「変化する脚本」のつくり方

マーティン・リーブスジャック・フラーアダム・ジョブ

2024年10月

企業において知識の共有は不可欠だが、特に中規模以上の企業では縦割りや地理的断絶、人事異動などが共有の障壁となる。従来のマニュアルや研修は、網羅性が高いほど理解や記憶が難しく、従業員の責任感が薄れるリ…

米経済は順調にソフトランディングに向かっているといえる理由

フィリップ・カールソン＝スレザックポール・スワーツマーティン・リーブス

2024年7月

最近の不安定なマクロ経済指標は、米経済のソフトランディングは無理だと主張する悲観論者を勢いづかせている。しかし、企業幹部は、これらの指標に一喜一憂しないようにする必要がある。米経済の基盤は、景気循環…

想像力あふれる企業に生まれ変わる6つのステップ

マーティン・リーブスアダム・ジョブ

2024年5月

現代の厳しいビジネス環境において、成長を追求する企業が需要を伸ばすためには、イマジネーションから生まれたイノベーティブな商品を開発することが欠かせない。しかし、企業は成長するにつれ、関心が内向きにな…

雑誌掲載コンテンツ

ラディカル・オプショナリティ：不確実性を競争優位性に変える法

マーティン・リーブスミヒニア・モルドベアヌアダム・ジョブ

2024年2月

不確実性がますます高まる中、現時点で与えられたシナリオの下、戦略を描いて実行したところで、将来の成功が約束されることはない。筆者らは、不確実性を競争優位性の源泉へと変えるために、「ラディカル・オプシ…

リーダーの年齢が高いほど企業の活力は失われる

マーティン・リーブスフェリックス・リュディガーアーサー・ブランジェアダム・ジョブ

2023年12月

現在、ビジネス界のリーダーは経験豊富な人材が圧倒的に多い。フォーチュン500やS&P500のCEOの平均年齢は58歳だ。しかし筆者らの調査によると、企業の活力は、CEOの年齢と負の相関関係があること…

企業の競争優位につながる「これからのオペレーション」の条件

マーティン・リーブスアダム・ジョブ

2023年12月

オペレーションは、企業の競争優位性を確立する上で重要な要素である。アップルCEOであるティム・クックの成功はその好例だ。一方、デジタル革命によりオペレーションの戦略的価値は変化し続けている。企業のオ…

激増するコラボレーションで部下が燃え尽きるのを防ぐ方法

ロブ・クロスカレン・ディロンマーティン・リーブス

2023年11月

あらゆる組織で、バーンアウト（燃え尽き症候群）に陥る従業員が増えている。その原因として、仕事量の増加を挙げる人が少なくないが、筆者らの調査によると、コラボレーションを求められる仕事の激増が、日常的で…

なぜランダムな意思決定が最も賢明な戦略なのか

マーティン・リーブスミヒニア・モルドベアヌアダム・ジョブ

2023年12月

遊牧民ナスカピ族は、占いを使いランダムに狩り場を探すことによって、危険な土地で何百年も生き延びてきた。これは現代のビジネスの世界にも応用できる方法だ。本稿では、現在、ビジネス上の意思決定にどのように…

米経済のソフトランディング後に何が待つのか

フィリップ・カールソン＝スレザックポール・スワーツマーティン・リーブス

2023年10月

米経済の「ソフトランディング」の成功は歓迎すべきである。しかし、長引く不確実性はリーダーを悩ませている。本稿では景気後退の予測が外れた理由と今後の見通しを考察する。ソフトランディング後にはどのような…

なぜ相反する考え方が企業戦略を強化するのか

マーティン・リーブスミヒニア・モルドベアヌアダム・ジョブ

2023年7月

企業は先の読めない変化の激しい世界に対応するために、相反する考え方を含む、ラディカル・オプショナリティ（徹底した選択性）を前提とした経営戦略を採用する必要がある。しかし、多くの企業はなかなかラディカ…

あなたの会社はコロナ禍で得た学びを無駄にしていないか

マーティン・リーブスロバート・ファン・デル・フェーケンアダム・ジョブ

2023年5月

新型コロナウイルス感染症の流行が、落ち着きを見せている。いまこそ企業は、まだ記憶に新しい危機下で学んだことを、制度化して競争力とすべきである。本稿ではその方法を3つのステップで解説する。新型コロナウ…

戦略をストーリーとして深く理解させる方法

マーティン・リーブスルーランド・バン・ストラテンティム・ノーランマデレン・マイケル

2023年4月

戦略はストーリーにして共有することで、関係者が速やかに学び、深く理解できるようになる。本稿では、戦略の目的に立ち返り、ストーリーの力を再認識したうえで、戦略とストーリーを結びつける方法を論じる。その…

雑誌掲載コンテンツ

自社の価値観を脅かす政治リスクに対応する方法

ロジャー L. マーティンマーティン・リーブス

2023年4月

企業がビジネス上の判断を行う際、政治的な問題を考慮せざるをえない時代になった。ウォルト・ディズニーやH&M、マクドナルドなどの企業が、政治絡みの問題に巻き込まれ、事業の継続や収益に重大な影響が及んで…

景気後退期に優位性を築く企業には、何が備わっているか

フィリップ・カールソン＝スレザックポール・スワーツマーティン・リーブス

2022年12月

現在の米国経済は、GDPが縮小し株式相場が急落する一方で、失業率は半世紀ぶりの低水準にあるなど、さまざまな指標において強さと弱さが混在している。そのため、経済モデルや予測の有用性には限界がある。経営…

戦略策定の前に検討すべき2つの問い

マーティン・リーブスアンネリース・オデイ

2022年9月

戦略立案に当たっては、すぐさま問題の分析に取りかかり、できるだけ早く意思決定をしたいと思いがちだ。しかし、問題が明確化されていなければ、適切な解決策は見つからない。意思決定しようにも、必要な情報が揃…

米国経済のインフレ、景気後退、スタグフレーションを見据えて経営者がなすべきこと

フィリップ・カールソン＝スレザックポール・スワーツマーティン・リーブス

2022年8月

マクロ経済の見通しは経営者にとって検討すべき重要課題だ。米国のマクロ経済に対する不安は、インフレから次なる不況へと変わりつつある。すなわち、米連邦準備制度理事会（FRB）の対策は、景気後退のリスクを…

ビジネス予測はほぼ確実に的中しないが、それでもなお価値がある

マーティン・リーブススバシニ・ラマスワミーアンネリース・オデイ

2022年4月

新たな年を迎えると、その年に起きうる出来事に関する予測が発表されるが、このようなビジネス予測のほとんどが当たらない。しかし、だからといって予測に価値がないというわけではない。専門家による複数の予測に…

雑誌掲載コンテンツ

イノベーションの「兆し」を見つけ出す方法

マーティン・リーブスボブ・グッドソンケビン・ウィタカー

2022年1月

イノベーションを目指す企業にとって、トレンド分析は有効な手段の一つだ。ただし、トレンドがすでに顕在化し、世の中で広く知られているような状況では、競合の後追いで終わる可能性がある。競争優位を獲得するに…

政治的分極化を緩和するために、ビジネスリーダーは何をすべきか

マーティン・リーブスリーサ・クインランマシュー・ルフェーブルゲオルグ・ケル

2021年11月

政治的分極化が進む中、企業リーダーは難しい判断を迫られている。議論を呼ぶ社会問題に対して、自社の立場を鮮明にしても沈黙を貫いても、従業員や顧客の反発を招く可能性があるからだ。この難題を解決するために…

グリーン経済の実現に不可欠な資源をいかに確保するか

デイブ・ヤングリッチ・ハッチンソンマーティン・リーブス

2021年8月

政府だけでなく、世界中の企業や投資家がビジネスのサステナビリティ（持続可能性）向上を目指して、さまざまな取り組みを実施している。ただし、グリーン経済の実現という壮大な目標を達成するためには、解決すべ…

新型コロナウイルスはいかなる経済的ショックをもたらすのか

フィリップ・カールソン＝スレザックマーティン・リーブスポール・スワーツ

2021年8月

新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威をふるっている。国・地域ごとに感染状況やワクチン接種の進捗に違いはあるが、経済活動の本格的な再開など、アフターコロナを見据えた取り組みが始まりつつある。新型コロ…

ポストコロナの経済でどうすれば勝者になれるか

フィリップ・カールソン＝スレザックポール・スワーツマーティン・リーブス

2021年7月

コロナ禍を乗り切るための大胆な景気刺激策が功を奏し、米国経済は急速な景気回復を実現している。売り手市場で労働者の賃金水準が上昇する中、企業は利益を保つことができるのか。本稿では、これから起きうる4つ…

世界経済はなぜ予想より早くコロナ禍から回復できたのか

フィリップ・カールソン＝スレザックポール・スワーツマーティン・リーブス

2021年1月

新型コロナウイルスの感染拡大は、世界中に甚大な被害をもたらしている。ただ、当初は経済全体が崩壊すると不安視されていたものの、そこまで深刻な自体に陥ることはなく、予想を大きく上回る形で急速な回復を遂げ…

雑誌掲載コンテンツ

「新しい現実」にビジネスをどう適応させるか

マイケル G. ジャコバイズマーティン・リーブス

2021年2月

新型コロナウイルス感染症による経済的な影響は深刻さを増しているが、過去を振り返れば、金融危機や同時多発テロ事件など大きな危機によって窮地に追い込まれた企業がある一方、機会を見出して成長につなげた企業…

新型コロナ危機は景気にいかなる影響を与えたのか

フィリップ・カールソン＝スレザックポール・スワーツマーティン・リーブス

2020年10月

新型コロナウイルスの感染拡大が景気に与える影響に関して、当初さまざまな予測が発表されたが、その結果はどうだったのか。これまでの状況を整理した結果、予測と現状が大きく食い違う点が5つ判明した。本稿では…

企業はレジリエンスを高めるために何をすべきか

マーティン・リーブスケビン・ウィタカー

2020年8月

新型コロナウイルス危機により、現代の社会システムがいかに脆弱であるかを私たちは思い知らされた。今回のような危機は史上初めてのことではなく、また最後の危機でもないだろう。持続的な成長を遂げるためには、…

危機に直面するいまほど、想像力が大切なときはない

マーティン・リーブスジャック・フラー

2020年5月

新型コロナウイルス感染症の蔓延により、企業の危機管理体制が問われている。ただ、この重大な危機を飼い慣らし、コロナ以前の状態に戻ることは不可能かもしれない。むしろ、危機を適切にマネジメントして、危機か…

新型コロナウイルスはいかなる経済的ショックをもたらすのか

フィリップ・カールソン＝スレザックマーティン・リーブスポール・スワーツ

2020年4月

新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威をふるう中、政府も企業も対応が後手に回り、世界経済は大きなダメージを受けている。今後の展開が誰にも見通せない状況で、その影響を詳細に予測をすることは不可能である…

雑誌掲載コンテンツ

ビジネスの複雑性を手なずける

マーティン・リーブスサイモン・レビントーマス・フィンクアーニャ・レビーナ

2020年5月

技術の進歩やグローバル化の進展は現代のビジネスをますます複雑にしている。それによりシステムや組織はわかりにくさが増すが、一方で複雑であるゆえに、レジリエンスが増したり、適応力が高まったりというメリッ…

新型コロナウイルスに中国企業はどう対処しているのか

マーティン・リーブスラース・フェステシンシア・チェンフィリップ・カールソン＝スレザックケビン・ウィタカー

2020年3月

新型コロナウイルス感染症はアジア諸国から欧米へと拡大し、世界中の企業がその対応に追われている。予測できない要素が多く、過去の事例もヒントにならないため、この問題のお手軽な解決策は存在しない。しかしな…

新型コロナウイルスはグローバル経済に何をもたらすか

フィリップ・カールソン＝スレザックマーティン・リーブスポール・スワーツ

2020年3月

新型コロナウイルス感染症の脅威が拡大する中、金融市場が大きな反応を見せ始めた。世界経済がリセッション（景気後退）に突入することは不可避だという声も聞こえる。だが、コロナを取り巻く状況は刻々と変化して…

新型コロナウイルスの危機に企業はどう対処すべきか

マーティン・リーブスニコラス・ラングフィリップ・カールソン＝スレザック

2020年3月

新型コロナウイルスが中国のみならず、世界中で猛威をふるっている。全貌把握が困難で刻々と状況が変わるため、すべての企業が手探りで対処せざるをえない。その中で、この危機に迅速かつ的確に立ち向かえている企…

組織の多様性はどこで、どのように業績を高めるのか

ロシオ・ロレンツォマーティン・リーブス

2018年3月

組織の構成員の国籍や年齢、性別などが多様であることは、公平性の観点から重要である。ただ、ダイバーシティが生み出すのは公平さだけではない。ボストンコンサルティンググループの調査により、イノベーショ…

新たな未来の創造に向けてグローバル企業が追求すべき7つの機会

マーティン・リーブスジョハン・ハーノス

2017年4月

勝者と敗者を生まない、より包摂的なグローバル化と技術進歩を実現するために、グローバル企業は何をすべきか。ＢＣＧの識者が7つの取り組みを提言する。

雑誌掲載コンテンツ

生物学に学ぶ企業生存の6原則

マーティン・リーブスサイモン・レビン上田大地

2016年6月

事業環境はかつてないほど多様化し、ダイナミックな変化を続けている。こうした変化に多くの企業はうまく対応できているのだろうか。こうした疑問から３万社超の米国企業を調査したところ、企業の短命化が進んでいることが判明した。上場企業が今後５年以内に上場廃止になる確率は3社に1社であるという。本稿の筆者たちは、企業が長く存続するための知見を「複雑適応系」に求めた。「局地的な相互作用」「創発」「フィードバック」のサイクルを繰り返して進化を続ける複雑適応系の原則は、自然界においてもビジネス界においても生命力を強化するものである。

「伝統型」から「再生型」まで、事業環境から導く５つの戦略スタイル

マーティン・リーブスクヌート・ハーネスジャンメジャヤ・シンハ

2015年12月

事業環境に適した戦略を選ぶためにＢＣＧが開発した「戦略パレット」活用法の後編（前編はこちら）。戦略スタイルの5大典型を、リーダーはどう見極め実行すればよいのか。

最善の戦略を見極めるための戦略は何か

マーティン・リーブスクヌート・ハーネスジャンメジャヤ・シンハ

2015年12月

古今数多の戦略フレームワークを、どう選び活用すればよいのか。ＢＣＧの戦略エキスパートが、事業環境と戦略を「伝統型」「適応型」「形成型」「先見型」「再生型」の5体系に整理し、それぞれに応じたアプローチの選択・実践法を伝授する。

雑誌掲載コンテンツ

アリババの戦略はアルゴリズムに従う

マーティン・リーブス曽鳴アミン・ベンジャラ

2015年11月

テクノロジーが進化し、急速に変化する経営環境の中で、企業が成長するためには、これまで安定的に推移してきた既存事業と、予測不能な新規事業とを同時にうまく舵取りしなくてはならない。それを実現するには、実験や学習を通じて自律的に変化に対応するセルフチューニング（自動調整）が求められる。中国のeコマース（電子商取引）最大手のアリババは、急速に変化する事業環境の中で自社のビジョン、ビジネスモデル、その構成要素をうまく調整しながら成長を遂げてきた。本稿ではアリババの事例を用いながら、セルフチューニング型企業について論じていく。

AIGはデータサイエンスを駆使して意思決定を大きく変えた

ムルリ・ブルスワールマーティン・リーブス

2015年2月

米保険大手のAIGは、データサイエンスを活用した「根拠に基づく意思決定」に全社を挙げて取り組んでいる。どのように成功を導いたか、その取り組みと導入の工夫について、同社のチーフ・サイエンス・オフィサーが紹介する。

雑誌掲載コンテンツ

戦略構築にこそ戦略が必要である

マーティン・リーブスクレア・ラブフィリップ・ティルマンズ

2013年1月

多くの企業が、競争環境に合わせた戦略を取る必要性を認識している。にもかかわらず、変化の激しい状況にあっても、依然として予測可能で安定した環境に適した伝統的アプローチで戦略を構築し、実践している。その…

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適応力の競争優位

マーティン・リーブスマイク・ダイムラー

2011年11月

今日は不確実でリスクの高い時代であるといわれる。ある分析では、利益率の変動率を1950～80年とそれ以降で比べると実に倍以上になっており、また市場リーダーから滑り落ちる割合も増大していて、数字からも不安定な経営環境が示されている。こうした時代には、製品やサービスの供給という1次的な組織能力だけでは持続的な競争優位が約束されない。それは迅速な適応力を育てるという「2次的」な組織能力からもたらされる。この組織能力は具体的には4つから成る。すなわち、素早く変化のシグナルを読み取って対応する、自社が提供する製品やサービスのみならずビジネスモデルについても実験を繰り返す、複数のステークホルダーが関わる複雑なシステムを管理する、さらに人材の力を引き出す、ということである。P&Gやイケア、テスコ、シスコシステムズなどの成功企業がどのようにこれらの能力に磨きをかけているのかを紹介し、伝統的企業がこれらを身につけるためのヒントを提示する。