レベッカ・ヘンダーソン
ハーバード大学 ユニバーシティ・プロフェッサー
レベッカ・ヘンダーソンは、ハーバード大学ジョン・アンド・ナッティ・マッカーサー記念講座ユニバーシティ・プロフェッサーであり、ハーバード・ビジネス・スクールのゼネラルマネジメントおよび戦略ユニットにも所属する。近著にReimaging Capitalism in a World on Fire(未訳)がある。研究分野は、組織が大規模な技術的シフトに対処する方法。最近は特に、エネルギーと環境の分野に注目しており、エネルギー分野におけるイノベーションの推進役を研究する過程で、政府と民主主義の役割に関心を抱くようになった。 世界のエネルギー企業について研究する中で、ヘンダーソンは、これら企業が政府の気候変動対策を擁護しないことを不思議に思うようになった。気候変動がもたらす脅威は現実のものとなっており、絶望的な状況であるにもかかわらず、なぜクリーンエネルギーやカーボンプライシングの導入がこれほど難航しているのか。そこには多くの問題が関係していた。企業の近視眼的な体質、温室効果ガス削減を推進する法案を成立させないために政治に流れ込む莫大な企業マネー、そして深刻化する政治的分極化が相まって、世界の大多数が支持する措置を阻んでいた。 ヘンダーソンは、民主主義そのものが世界的に窮地に陥っており、自由市場資本主義を脅かしていることに気がついた。そして、MBA取得過程の「資本主義の再構築」という講義で、このテーマを取り扱うことにした。5年前の開講時は28人だった履修者は、現在300人を超える。この講義では、「大きな問題」を解決するために企業が果たす役割を学生に考えさせている。その際、気候変動から巨大な格差まで、現代社会が直面する複雑な問題を解決するうえで、強い力を持つ民主主義政府がいかに中心的な役割を果たしているかを探る。学生たちは、民主主義システムを強化するために、企業にできること、あるいは企業が果たすべき役割を検討する。